■大阪 日本橋■
西の都・大阪で、秋葉原同様これまで電気街として発展してきた日本橋。周辺エリアの店舗賃料相場の地図を記すとともに、地元において日本橋の発展に貢献する日本橋まちづくり振興株式会社に、街の現状と今後の展望、そして打つべき施策を聞いた。

※募集賃料相場は共益費込みの金額です。
出店の勢いは、決して衰えていない“日本橋”ロボットを起爆剤に、さらなる街の発展を狙う
日本橋まちづくり振興株式会社
■ヨドバシ・ショックは払拭 しかし、数々の課題が
日本橋の現状について、データで見る限り、マスコミ報道で言われているほど急激に衰退したという感覚は持っていません。調査が始まった2005年以降で見ると、入れ替わりは激しいものの店舗の出退店の差は常に出店が上回り、店舗数は純増傾向にあります。確かに、2001年のヨドバシカメラ梅田出店により、電気街としての日本橋の求心力は低下しましたが、いわゆる「ヨドバシ・ショック」による店舗数の減少は、底打ちしたといえるでしょう。
ただし、その内容を精査すると、いくつかの問題点が見えてきます。まずは電気街の象徴であった大型家電量販店の凋落です。この業種に限れば、かつては軒を連ねた店舗が激減し、特に賑わいのあった堺筋からは、店舗面積1,000㎡以上の大型店が現時点では完全に消滅しています。以前は大型の家電量販店があり、そこでできないことをやる小回りの利く専門店がせめぎ合うことで、街に回遊の楽しみが生まれるという構図がありました。これが大きな集客力を持っていたのですが、今はその核となる店がないのです。
また、店舗が増えているといっても、経営基盤が脆弱な小規模店舗が主流で、ビルの1階ではなく、2階や3階の上層階で成立する業態も多いため、街の賑わいに繋がっていきません。しかも、これらの小規模店舗の追跡調査をすると、2005年には約60店が新規出店していますが、その3分の1はすでに閉店しているなど店舗の寿命が短いのです。
こうした新規店舗の多くは飲食・サービス業であり、物販は極めて少ないです。物販は、一時は健闘していた、いわゆるアキバのようなオタク系店舗の大型化にも限界があり、さらに、より集客力のある街に移転するなど日本橋からはむしろ撤退傾向にあります。つまり店舗構成が、かつての物販中心から、飲食・サービスの街へと変貌しつつあるわけです。
飲食店の出店傾向として、大手のチェーン店が多くなっているのも特徴です。例えば、賃料が高い堺筋の路面店では半分以上が大手のチェーン店になっています。こうした店舗は近隣地域にも展開しているため街の特徴を形成することにはならず、広域の集客力はないといえます。日本橋は、決して立地が一等地というわけではありません。街の繁栄には独自性が必要不可欠なのですが、こうした大手チェーン店が集まることで、他の地域と同質化するのではないかという懸念さえあります。
こうした影響からか、ターミナル駅である難波に近い3・4丁目はまだしも、5丁目にいたっては明らかな店舗の減少が見られ、エリア内における南北の格差が広がっています。つまり、かつて西の電気街といわれた日本橋のイメージとはかけ離れた街になろうとしているのです。

■集客の核づくりが急務 起爆剤はロボットか?
現在、かつての大型店の跡地ではマンション建設が次々と進んでいます。大型店の成立可能な業態が限られている以上、残念ながらこの流れは止められないかもしれません。
逆に、小規模家電店舗は、海外観光客をターゲットにした免税品専門店に業態転換したり、それまでの総花的な品揃えから高級オーディオに絞り込むなど、それぞれに専門特化することで生き残ろうとしています。
また、日本橋は、戦前は古本の街、そして戦後はラジオ、高度成長期はテレビなどの家電の街、そして最近ではマルチメディアと、常に新しいものを取り入れることで活力を維持してきた街です。そして、現在も新たな集客の核となるものを模索しています。
そうした中で、我々が最も期待しているのが、「ロボット」です。 「ものづくりの街・大阪」に相応しく、この分野での大阪の活躍は目覚ましいものです。「ロボカップ」というロボット技術の世界大会が毎年開催されているのですが、ヒューマノイド(人型ロボットによるサッカー競技)部門では、在阪企業の連合体によるチームが昨年まで4年連続優勝しています。さらに、ロボカップジュニア部門でも、日本橋の子供によるチームが、やはり優勝しているのです。我々は街おこしの方法として、5年前から「でんでんタウン電子工作教室」「ロボット工作教室」を開講しており、これまでに延べ3,000人以上の子供たちが受講しています。ロボット関連商品を取り扱うショップをまとめた「ロボットマップ」も一昨年より発行しています。これらの成果か、最近では親子連れの買い物客も目立つようになりました。そしてパソコンの専門店が多くあり、大型専門店に劣らないユニークで豊富な品揃えが出来、パーツ店や工具専門店、ネジの専門店等が有り、ロボット産業育成には格好の立地となっている。こうした新たな核を生み出すことで街を活性化し、日本橋の賑わいを再生したいと考えています。日本橋は昔も今も、最先端の趣味の街として生き続けています。
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店舗マーケット情報「大阪日本橋」 2008年春季号
|2008年04月30日