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海外の不動産レポート



ミャンマーサービスアパートメント情報

ドイモイ(刷新)政策が軌道に乗り、海外からの投資が順調に増加しているベトナムは、ASEANへの加盟も果たし、ますます投資先としての魅力を増している。今回の『海外レポート』では、そのベトナムの事業用不動産事情を紹介する。



ヤンゴン市中心部ヤンゴン市中心部ヤンゴン中央駅ゴールデンヒルタワーサクラレジデンスミカサレジデンス
  ヤンゴン市中心部ヤンゴン中央駅
ゴールデンヒルタワー
サクラレジデンスミカサレジデンス


ミャンマーの国勢と歴史


 ミャンマー(旧ビルマ)は、国境線をバングラディシュ、インド、中国、ラオス、タイの5ヵ国と接しており、東南アジア大陸部では最大となる676,577k?の面積を有している。人口は約4,900万人で、中でも首都ヤンゴンでは350k?内に約500万もの人々が暮らしている。様々な資源が産出され、森林資源や鉱物資源、石油・天然ガスが豊富である。
 1988年、民主化要求運動により26年間続いた社会主義政権が崩壊、国軍がデモを鎮圧し政権を掌握した。1990年には総選挙が実施され、現在アウン・サン・スー・チー女史率いる国民民主連盟(NLD)が圧勝するが、政権移譲は行われていない。
 政府は、スー・チー女史を1989年から自宅軟禁し、95年に軟禁を解除する。再び2000年に自宅軟禁、2002年に解除。そして、2003年5月に再度自宅軟禁措置を取る。これを受け、米国は、送金規制を含む経済制裁を発動した。この経済制裁が、輸出入や融資に対して大きく影響を与えたことは言うまでもない。2003年8月には、キン・ニュン首相が就任し、7段階からなる民主化のための「ロードマップ」を発表している。


不動産マーケットは低迷


ミャンマー外国投資動向  経済政策を見ると、1988年に外資法が制定され、以降31の外資系企業によるホテル等の不動産開発が認可された。1995年には投資開放政策を活発化させて、翌96年にミャンマー観光年をスタートさせた。この結果、外国による投資額は過去最大の約28億米ドルを記録し、ミャンマーへの投資ブームに火がついた。

 しかし、1997年のタイバーツに端を発したアジア通貨危機は、ミャンマーにも大きな影響を与え、諸外国および外国企業による投資を鈍化させた。さらに、スー・チー女史の度重なる軟禁が、米国を中心とする西側諸国の経済制裁を招き、投資環境は急激に悪化。政府は、生活基盤への投資に重点を置いており、外国投資が次々に撤退の動きを見せるなか、外国人を対象とする不動産マーケットは低調である。ヤンゴン市内では多くのホテルや商業ビル開発は延期され、あらゆる種類のビルが競合するような状況が続いている。


外資系サービスアパートメント


外国企業資本のサービスアパートメントは、ヤンゴン市内に数棟あり、ゴールデンヒルタワー、マリーナレジデンス、サクラレジデンス、ミカサレジデンス、グランドミヤタ等がある。1990年代中頃までは、ミャンマーに進出している外国企業(日系企業を含む)の駐在員は主に一戸建てを賃借していたが、ここでの生活では停電や断水など、生活インフラに難があるのは当たり前という状況であった。そんななか、1995年の投資開放政策開始以降、外国企業によりサービスアパートメントが計画、建設され始め、外国人は一戸建てから、上記のような不満が少しでも解消されるサービスアパートメントに移動を始めた。そのため、これらは一気に入居者を獲得するに至った。


 規模的には、ゴールデンヒルタワーの213戸からグランドミヤタの96戸まで幅があり、また立地も、マリーナレジデンスやミカサレジデンスはインヤー湖畔、グランドミヤタはダウンタウンといったように、ヤンゴン市内にまばらに位置している。


 これらサービスアパートメントも、1997年のアジア通貨危機や、米国を中心とする西側諸国による経済制裁の影響を大きく受けている。相次ぐ企業の撤退により、入居者の数は減少。現在、ヤンゴン市内のサービスアパートメントの入居率は、平均で70%を割る状態となっている。この環境下では、計画時に予定していた賃料も、大幅に下げざるを得ない。現在、ゴールデンヒルタワーの価格帯は月額約1,000?2,500米ドルで、当初予定していた60%程度の額となっている。


■ミャンマーの主なサービスアパートメント情報(2004年4月現在)


No.物件名ロケーション総戸数平均月額賃料
(US$)
付 帯 設 備
(1)ゴールデンヒルタワーNo,24-26 Kaba Aye Pagoda Road Bahan
Township Yangon
2131,000?2,500 レストラン、ライブラリー、プール、ミニマート、
テニスコート
(2)マリーナレジデンス8 Kaba Aye Pagoda Road,Mayangone Township,Yangon1251,000?2,000 レストラン、プール、ミニマート、テニスコート
(3)サクラレジデンス9,Inya Road,Block 10, Kamaryut
Township,Yangon
113800?1,500 レストラン、プール、ミニマート
(4)ミカサレジデンスNo,17 Kaba Aye Pagoda Road,Yankin
Township,Yangon
139800?1,200 レストラン、プール、ミニマート
(5)グランドミヤタNo. 372, Bogyoke Aung San Road,
Pabedan Township, Yangon
96500?1,000 レストラン、プール、テニスコート


ミャンマーの今後について


日本とミャンマーの関係は、今後どうなっていくのだろうか。昨年末、東京でASEAN特別首脳会議が開催され、小泉首相はメコン川流域の開発を支援するため、最大で総額15億米ドルの経済協力実施を表明。支援内容としては、今年度から3年にわたり、タイ、ベトナム、カンボジア、ラオス、ミャンマーの5ヵ国を対象とし、円借款などによるメコン川流域を結ぶ道路・鉄道・橋梁建設、空港・港湾の整備を行うことになっている。しかし、スー・チー女史の解放がなければ、日本としても大手を振って投資を再開することはできない。


 そんななか、キン・ニュン首相が表明した7段階からなる民主化への「ロードマップ」は、時間的なものが記されておらず批判も多かったが、最近の政府の動向を見れば着実に歩みを始めていると言える。政治的影響と外的要因により閉塞した状況にあったミャンマー経済だが、「ロードマップ」の完成、2006年度のASEAN議長国、スー・チー女史解放と、明るい兆しが見えてきた。日系企業は、投資対象としても、今後のミャンマーに注視していくべきであろう。


資料提供/YKK株式会社

海外の不動産レポート 2003年夏秋冬・2004年春夏秋 |2004年08月29日