ドイモイ(刷新)政策が軌道に乗り、海外からの投資が順調に増加しているベトナムは、ASEANへの加盟も果たし、ますます投資先としての魅力を増している。今回の『海外レポート』では、そのベトナムの事業用不動産事情を紹介する。
 |  |  |  |  |  |  |
| サイゴンセンタービル | | ホーチミン市中心部 | ダイアモンドプラザ | サイゴントレードセンター |
南部最大の商都・ホーチミンのオフィスビル事情
90年代初めまで、ホーチミン(旧サイゴン)へ進出した外国企業の事務所は、主にホテルやヴィラ(一戸建ての住宅)を改造したものであった。供給不足からタイトなマーケットとなり、多数の新しいオフィスビルの建築計画が立てられた。そして、ドイモイ政策が軌道に乗り始めた90年代前半頃から実際に建設が始まり、徐々にその棟数を増やしていった。ただし、いわゆるグレードAビルが街に姿を現すのは、経済危機前の96年頃からである。
海外からの投資が拡大した90年代中頃、ホーチミン市内における高層ビルの入居率は80?90%、平均賃料は月額30?40USドル/m2であった。この頃は、外国企業のオフィス需要自体は目立って多くはなかったものの、市場のポテンシャルによって、オフィスビルに多額の投資が行われた。
しかし、97年のアジア経済危機により、この状況は一転する。オフィス市場は急速に冷え込み、入居率および賃料ともに大きく下落。外国企業の撤退の影響で、平均賃料は月額13?15USドル/m2程度に、入居率も40?50%となった。オフィスビルの床の約半分が空いてしまったという状況である。
そして99年、景気回復とともにベトナムへの投資が戻り始めると、ホーチミンのオフィス市場も回復の兆しを示した。特にこの数年、企業のオフィス需要は着実に増加してきている。賃料と入居率は、2001?03年と上昇を続け、グレードAビルの平均賃料は月額17?25USドル/m2となった。また、入居率は80?90%と、経済危機前の水準にまで回復した。市場回復の要因として、多国籍企業の拡張需要に加え、ヴィラタイプから便利さやサービス面で優れた高層ビルへの移転需要や、新規のオフィスビルの竣工がないことなどが挙げられる。今後も新規供給はほとんど見込めないことから、しばらくこの傾向は続くものと予想される。
 |  |
| ■ホーチミンの主なオフィスビル情報(2002年末現在) | ■オフィス需要と供給面積推移 |
日本からの進出が加速する、ベトナムの工業団地
 |  |  |
| ■ベトナムの主な工業団地情報(2003年7月現在) | アマタ工業団地 | |
生産拠点の進出先として、近年、ベトナムは多くの日系製造業から注目されてきている。その理由としては、安価な労働力といったコスト面だけでなく、教育水準の高さやまじめな国民性など、ビジネスパートナーとしての信頼性の高さも挙げられるだろう。
日系企業の拠点となる工業団地は、主に南部の商都ホーチミン近郊、および北部の首都ハノイ近郊に点在している。ベトナムでは、土地の所有はできず、長期間の賃貸借契約となる。工業団地ごとにそのリース期間が決まっており、最長で50年間となっている。期間内の土地使用権の価格は、概ね1?当たり30?50USドル。また、長期使用権の購入以外にも、工業団地の用意する賃貸工場に入居する方法もある。工業団地により異なるが、賃貸料は月額2?6USドル/m2程度となっており、その価格はこの5年以上もの間、安定している。進出企業に対しては、法人税の減免や原材料の輸入関税免除といった税制面の優遇措置をはじめ、ベトナム政府による積極的な外資誘致政策が展開されており、投資環境の整備が進んでいる。
THE JAPAN DESK・BANGKOK「日本企業向け本格的事業用不動産サービス」がバンコクに発足

世界最大の不動産サービス企業であるCB
Richard Ellisグループは、2004年1月から、かねてより多数の日本企業が進出しているタイ王国を中心に、周辺の東南アジア諸国においてさらなるサービス体制の拡充を図るべく、米国(ロサンゼルス)、中国(上海)に引き続き、タイ王国に日系企業専従の拠点『ジャパンデスク』を開設しました。
日本・東南アジアの双方で経験を積んだ日本人による日本語でのきめ細かなサービスを通じて、東南アジアに進出する日本企業に、事業用不動産に関する総合的ソリューションを提供します。
| 東南アジア進出日本企業に対するサービス内容
(1) 企業の自社使用不動産の売買・賃貸仲介サービス
(2) 投資用不動産の購入・売却サポートサービス
(3) 駐在員用住宅の最新物件情報を日本で提供
(4) 投資顧問および鑑定・投資サポート
(5) アセットマネジメント・プロパティマネジメント
(6) 不動産開発コンサルティング |  | 名称:
“ジャパンデスク・バンコク”
所在地:
Richard Ellis (Thailand) Co., Ltd.
46th Floor, CRC Tower, All Seasons Place, 87/2 Wireless Road, Lumpini,Pathumwan, Bangkok 10330, Thailand
営業エリア:
バンコクを中心としたタイ王国主要都市、ベトナム社会主義共和国、カンボジア王国
|  |
 | | 駐在員/臼井豊秋 |
|
資料提供/CB Richard Ellis (Thailand) Co.,Ltd.
海外の不動産レポート 2003年夏秋冬・2004年春夏秋
|2004年04月29日