良い店構えは、良い品物を買取る仕組みにつながる
――現在は、首都圏を中心に24店舗を展開するまでに成長されています。
野坂 商品がすべて1点ものであることの難しさは述べましたが、同時に、同じ店が2店とないのがリサイクル店の魅力でもあります。創業時に出店した3店舗はかなり隣接していますが、それぞれ売っている品物が違うので、どの店を訪れてもお客様にとってワクワク感のある店づくりができていると思います。
――不特定多数のお客様から品物を買取ることがすなわち“仕入れ”となるため、仕入れ予測が難しく、棚づくりにも苦労があるのでは。
野坂 単品ではなくジャンル単位であれば、店舗の仕掛けによって仕入れ量をある程度調整することができます。というのも、店で売られている品物がその店で買取られる品物なので、お客様は店の品揃えを見ればどういう品物を買取ってもらえるかが判断できる。したがって、店構えを工夫することで特定のジャンルの品物を一定量集めることができるし、地域によって多少の差はあれ、商品構成を予測したオペレーションが可能なのです。
――また、御社では物流センターを拡張してきましたが、その意図は。
野坂 創業初期の頃に物流センターを開設したのは、店舗に置ききれない品物を保管するためです。ただ、リサイクル業では、買取った品物をいかに滞留せずに商品化するかがポイントですから、物流拠点は限りなくコンパクトにして商品の滞留を避けるのが理想だと思います。しかし、事業を推進していくうちに物流拠点の役割が多様化し、それに合わせて拡張してきたというのが現状です。
その一つが宅配買取。遠方にお住まいのお客様のために、品物を物流センターに送っていただければ、そこで品物を査定し買取るサービスを始めました。もう一つは、当社HPからの通信販売やオークション販売に対応するための物流機能。加えて、近頃の物流センター機能としては、新規出店に向けた商材の確保が挙げられます。今以上に積極的に出店を行っていくには、これは、どうしても必要な機能だといえます。
高付加価値商品を扱う衣類専門店をスタート
――2004年にはフランチャイズ(FC)店を出店しています。
野坂 実は、当初はまだFCを検討していなかったのですが、福島のある企業さんがいろいろなリサイクルショップを回られる中で当社の直営店をご覧になって、「ぜひともトレジャーファクトリーを出店したい」とのお話をいただきました。最初はお断りしていたのですが、熱心に1年近くも通ってこられたので、お願いしたという経緯です。現在展開中の2店舗とも順調に経営していただいており、最初のFCを熱意のある方にお任せできて、本当によかったと思っています。ただ、事業戦略としては、あと1~2年は直営店を基盤にした多店舗展開を進め、その後、FCを展開していきたいと考えています。
――昨年は、衣類専門店のオープンと、新たな取り組みにも余念がありませんね。
野坂 過去12年間、総合リサイクルショップを展開してきて、近年、リサイクルという行為が環境にやさしいライフスタイルの一つとして認識されるようになってきたと実感しています。そのような中で、特に需要が伸びているのが洋服。当初は全体の売上の3~5%でしたが、今では25%近くを占めるようになってきました。今後、洋服の分野を推進するなら、それ専門の店舗形態を追求していく必要がある。そこで、新しいコンセプトで新しい顧客層に訴求していこうと始めたのが、ショッピングモールへの衣類専門店の出店です。
衣類専門店で取り組んでいきたいのは、より付加価値のある品物をリサイクルさせる仕組みづくりです。これまでの総合店では比較的安価な品物を多く取り扱ってきましたが、衣料専門店では高級な洋服を値ごろ感のある価格で売っていきたいと考えています。それには、まず高級な品物を当店に持ち込んでいただかなければならない。つまり、そういった品物をお持ちのお客様に、ご来店していただけるような店づくりをしなければならないわけです。
――今後の展開は。
野坂 いずれは洋服以外の分野での専門店展開も視野に入れています。また、総合店については、まず関東での出店を進め、その後はもちろん、全国展開を狙っていきます。
――新しいリサイクルビジネスの今後が楽しみですね。